平成30年 トヨタ ヴェルファイアハイブリッド READY表示されない


おはようございます。秋田イモビサービスの鎌田です。

ゴールデンウィークが終わりましたね。このゴールデンウィークは帰省の方の車のカギ紛失以上に山菜採りでの山でのカギ紛失が多かったです。

この季節あるあるですが、毎回現場到着までが大変です。

軽自動車でギリギリ行ける現場も多く、あとは現場で熊に遭遇しないかヒヤヒヤします。

住所が存在しない場所で地図にも載っていない道がほとんどですので、車の所有者の方に先導していただかないと辿り着けません。

最近の機材はオンラインでないと使えない機材も多くなってきましたので、携帯の電波が届かない場所になると車種によっては作業不可になってしまう場合も今後あるかもしれませんね。

さて、今回は整備工場様からのご依頼です。

「自社で車のスペアキー登録を行ったところ、登録作業中にバッテリーが上がってしまいました。その後READY表示がされなくなってしまいました。(エンジン始動できない)直す事は出来ますでしょうか?」

車両は平成30年式の30系後期のヴェルファイアハイブリッドです。

正直、今まで自分がなったことも聞いたことも無い状況です。トヨタのキー登録は結構しっかりしていて、中途半端な登録状態等にはなりづらいです。

ただ、バッテリーあがりのタイミングが悪ければ、イモビライザーシステム内のデータの整合性がおかしくなる可能性もあるかもしれません。

正直、直せるかどうかも分かりませんが、それでもよければ一度見ますとお伝えするとそれでも構いませんとの事でした。

遠方ですが出来る限りの装備を持って行ってきました。


30ヴェルファイアハイブリッドです。(画像はWikipediaより引用)

まず、状況を把握します。

スマートキー自体を操作すればロック、アンロック等は動作します。

車内にスマートキーを入れてスタートスイッチを押すとONになります。

ブレーキを踏んでスタートスイッチを押してもONにはなりますが、メーターにREADYは表示されません。

プッシュスタートボタンにスマートキーを当てた上でのブレーキを踏んでの始動を行ってもREADYにはなりません。

ONにはなるので診断機で全システムのエラーチェックを行いましたが、何一つエラーは入っていません。

なるほど。気になるのは車両をOFF状態にしてドアを開け閉めしても車内では「ポーン、ポーン」と定期的な音がします。

鍵式の車両でいうところのキーをイグニッションシリンダーに挿したままでドアを開けた時に鳴る音な感じです。

もしかしてと、思い車両を一度ONにしてからOFFにしてカーテシスイッチを一度押しました。鳴るはずの音が鳴りません。

電動ステアリングロックが掛かる音がならないのです。

電動ステアリングロックが動いていないようですので、OFF状態でステアリングを左右に動かしてみました。

重ステですが動きます。電動ステアリングロックが解錠状態から掛からなくなっています。

そのため、「ポーン、ポーン」と音が鳴りっぱなしになっているようです。

電動ステアリングロックがイモビライザーシステム内で正常に動作していないのでREADY(始動状態)にならないようですね。

イモビライザーシステム内で電動ステアリングロックECUがうまく同期出来ていないようです。

また、診断機でスマートキーコンピュータのライブデータをチェックしていると「Sコード」が「異常」になっていました。

この症状はたまに聞きますが、スマートキーの全紛失から復旧でイモビライザーシステムの各コンピュータの同期がうまく取れていない時になる状況です。

ただ、スマートキーの追加登録作業で起きたのは初めて聞きます。

やっぱりバッテリーあがりのタイミングがまずかったから起きたのでしょうね。

診断機にて他のコンピュータとの同期作業を行いますが、失敗と表示されます。

単純にはいかないようです。

仲間の鍵屋さんとも相談してまず、電動ステアリングロックECUを新品状態に初期化してみることにしました。

幸い電動ステアリングロック解錠状態でしたので、コラムカバーが簡単に外せたのが助かりました。


このコネクタを外して持ってきた機材を繋げて直接電動ステアリングロックECUのデータを新品状態にします。(なお、ディーラー様ではこの作業は出来ません。ディーラー様では新品の電動ステアリングロックに交換となります。)

新品状態にした後、診断機にて他のコンピュータとの同期を行いますが、失敗と表示されます。

何度行っても同じでした。

その為、次の手を試してみます。

次は通常であれば取り外しにかなり労力が掛かるコンピュータを新品状態にします。(この作業もディーラー様では新品のコンピュータへの交換作業となります。)

普通はダッシュボードを下ろすのですが、下ろさないで何とかする為の秘密兵器を持ってきて良かったです。(カギ式のH第3世代システムでもこの手が使えればいいのですが、そこは使えないのが残念です。)

もう一つのコンピュータも初期化を行った後、診断機にてまた同期作業を行います。

すると、同期完了となりました!


始動チェックを行うと「READY」表示が出ました!

アクセルを踏むとエンジン始動もOKです。

その後何度行ってもREADY表示の確認が出来ました。

整備工場様にも確認して頂き作業完了です。

整備工場様、ご依頼ありがとうございました。

当方としても珍しい状態の復旧作業でしたが、いい経験となりました。

また、今一度バッテリーの重要性を再認識致しました。

自分で作業する時も、バッテリーの状態確認を念入りにしようと思う一件でした。

秋田県内、及び隣県の業者様で、トヨタ車で同様な内容であれば対応可能かもしれません。

お困りでしたらご依頼下さい。

 

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